・任意接種ではなく負担していただけるワクチンだからこそ、接種可能な年月になったら迅速に摂取するべし。
小児用肺炎球菌とは・・・
肺炎レンサ球菌(肺炎球菌)によって引き起こされる感染症です、肺炎球菌による感染症は高齢者かかりやすい病気です。
90種類以上の肺炎球菌が存在しますが、これらの菌が何らかのきっかけで進展することで、肺炎や中耳炎、髄膜炎などの重い合併症を起こすことがあるようです。
肺炎球菌は乳幼児の鼻咽頭に40~60%と高頻度に保菌されていることからも早い段階での接種が望まれます。
特に、髄膜炎をきたした場合には2%の子どもが亡くなり、10%に難聴、精神の発達遅滞、四肢の麻痺、てんかんなどの後遺症を残すと言われています。また、小さい子供ほど発症しやすく、特に0歳児でのリスクが高いとされています。
小児用肺炎球菌の主な感染経路
肺炎球菌は自然宿主(感染しても症状を示さないで、ウイルスと共存している哺乳類)として、冬から春先にかけて私達の上気道に寄生しています。
その細菌が、くしゃみやせきをする事により最近が飛散し、感染します。
そのため、集団生活の様な場所ではより感染確率があがる恐れがあり、集団感染を引き起こすことでも有名な感染症のひとつです。
集団保育をすると、約8ヶ月程度でおよそ80%の子供達の鼻にインフルエンザ菌と肺炎球菌が定着してしまうそうです。
小児用肺炎球菌に感染した時の症状
主に肺炎球菌感染症に感染する部位は、肺・中耳・副鼻腔の3つです。
インフルエンザによって気道の粘膜が傷ついたあとに肺炎が起こる場合もあるようです。
細菌が血液に入り全身に拡散してしまった場合には、菌血症を引き起こしたり、重篤な症状にまで発展しまうケースも考えられます。
肺炎球菌性肺炎
発熱、悪寒、全身のだるさ(けん怠感)、息切れ、せきがみられ、たんは赤褐色になります。
肺炎球菌性中耳炎
耳の痛み、鼓膜が赤く膨らんだり、鼓膜の奥に膿がたまります。
この感染症により、聴力低下、平衡感覚の問題、鼓膜の破れ(穿孔)、頭蓋骨内の感染が生じることがあるそうです。
小児中耳炎の3割から4割は肺炎球菌が原因ともされているそうです。
肺炎球菌性髄膜炎
細菌性の髄膜炎は初期の段階では、カゼなどと同じような症状をするため、髄膜炎と診断することが出来にくく、重症化してから診断されるケースもあります。
症状は、発熱、頭痛、全身のだるさ(けん怠感)がみられ、食事を嫌がったり、不機嫌になったり、動作や反応が緩慢になったりする程度なのでやはり医者からの診断以外で切り分けをするにはとてもむずかしい感染症だと思われます。
小児用肺炎球菌の治療方法
ペニシリン系の抗菌薬が有効ですが、耐性菌もいるようです。
侵襲性肺炎球菌感染症に対しては、内服抗菌薬はほぼ効かず、抗菌薬点滴による投与にて治療行われるようです。
小児用肺炎球菌ワクチンと反作用
ワクチン接種により、肺炎球菌(ワクチンに含まれる種類のもの)が血液や髄液から検出されるような重篤な肺炎球菌感染症にかかるリスクを95%以上減らすことができると報告されています。
人に病原性を発揮する肺炎球菌の種類は約30種類存在していて、赤ちゃんの場合は成人用のワクチンを接種しても免疫効果が悪いため、13種類の肺炎球菌に対して低年齢でも免疫がつける事が出来る13日肺炎球菌ワクチン:PCV13:プレベナー13を使用しています。
特定の肺炎球菌に絞って接種している為、全ての肺炎球菌の感染症を防いでくれるわけではないですが、肺炎から血中に侵入して重篤化してしまう症状を防ぐことで肺炎球菌による感染症をある程度緩和させることが目的のようです。
ワクチン接種のスケジュールは、初回接種が生後2ヵ月以降(~7ヵ月まで)の間に接種を開始し、27日以上の間隔をおいて3回、
追加接種については初回接種終了後に3回目の接種を行ってから60日以上の間隔をおいて1回の接種を行います。
肺炎球菌ワクチンを接種することによる副反応は、以下が想定されています。
稀に報告される重い副反応としては、アナフィラキシー、痙攣、血小板減少性紫斑病等*が報告されています。
その他、一定程度に頻度でみられる副反応については、下表の通りです。
10%以上 | 1~10% | 1%未満 | 頻度不明 | |
---|---|---|---|---|
皮膚 | 蕁麻疹、発疹 | 血管性浮腫、蕁麻疹様発疹、多形紅斑 | ||
呼吸器 | 感冒(鼻咽頭炎等) | 呼吸困難、気管支痙攣 | ||
注射部位 | 紅斑(84.0%)、腫脹(69.7%)、疼痛・圧痛(28.2%) | 硬結 | 皮膚炎、掻痒感 | |
消化器 | 食欲減退(31.4%) | 下痢 | 嘔吐 | |
血液 | 注射部位に限局したリンパ節症 | |||
精神神経系 | 傾眠状態(52.1%)、易刺激性(45.2%)、不安定睡眠(38.0%) | 泣き | 筋緊張低下、反応性低下症 | |
その他 | 発熱(71.3%) |
出典:厚生労働省さんHP 小児用肺炎球菌ワクチンの切替えに関するQ&Aより
副反応の大多数は発熱・局所の腫れがみられているようです。
コメントを残す